パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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いつかの再会

スニーカーを新調しました。

新しい靴はまるで猫の肉球のような触感で

私の足を柔らかく支えてくれて快適です。

それはそれで結構なのですが、

問題は旧スニーカーなのです。

新婚当時、あまりにもくたびれた私のスニーカーに

妻が業を煮やし、

半日街を探し歩いて買い求めた品なのです。

私の足のサイズは

一般の靴屋ではあまり扱っていない大きさで、

気に入ったデザインの靴などは

指をくわえて眺めるしかありません。

そんな状況の下、

新妻が「似合う」と選んでくれたスニーカーを、

これまで騙し騙し八年履き続けてきました。

表皮はぼろぼろ、靴底は溝が無くなり、

サイドには亀裂が走りすぐに雨水が浸入してきます。

今まで当然に足を突っ込んできたこの靴を、

役目が終わったからと言って

躊躇無く投げ捨てることが私にはできません。

私には幼いときから、

一度手に触れてしまったものに情が移ってしまい、

ものを手放すとそれが寂しがるのではないか

と考える癖がありました。

だからゴミを出す時にはいつも身を切られる思いです。

世間の方はパンツを捨てる時、

どのように思っているのでしょうか。

長年陰部をサポートし続けてくれるパンツ。

もはや皮膚の一部と思われるほど素肌に密着し、

これまで苦楽を共にしてきたのに、

どうしても繊維が擦り切れて穴が開くのは避けられません。

それでも暫らくは気付かぬふりをして履き続けますが、

やがて妻に咎められパンツは処分されてしまいます。

どうしてもっと丈夫に産まれてこなかったのか、

そんな遣り切れなさが毎回私を襲います。

これまで私が愛用した後処分した品々に、

今後再びまみえることはありません。

きっと、一時期だけの縁だったと割り切るべきなのでしょう。

そんなため息をついていた私の脳裡に、

突如閃光が走りました。

私がこの世から去った後、

肉体は分解され大気中や土中へ何らかの原子として放出されます。

その時にもしかして、

元は私のスニーカーやパンツだった原子と結合して、

私ともの達は一つの物質として

再び手を取り合える日が来るかもしれません。

それでもいずれ別れがくるのでしょうが、

元を辿れば、宇宙開闢からずっと私ともの達は

そうやってくっついたり離れたりを繰り返して

きた可能性だってあります。

だとすればパンツに別れを惜しむのは滑稽な気がしてきました。

一時の別離なのですから、

私の汗のたっぷり染み込んだスニーカーにも、

笑顔で手を振ることができそうです。









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  1. 2011/02/24(木) 00:02:28|
  2. 人間ライフ
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