パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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三歳の懐古

夜、子供たちを寝かしつける時間に、

次男がご機嫌ななめでした。

パジャマを用意して、

着替えするところを見守っていた時です。

まだ起きて遊んでいたいのに、

もう寝なさいと言われ、

次男は眠気で重くなった瞼で私を睨んでいました。

「もう、パパがうるさくいうから、

赤ちゃんでいられなくなっちゃったよ!

赤ちゃんでいたかったのに。

兄いの赤ちゃんの写真はあるのに、僕の写真が無い」

写真とは、長男が生後六ヶ月位のときに

妻と私と三人で写真屋さんで撮ってもらったもののことで、

いつもそれを見ては「この赤ちゃんが兄いだよ」

と父にむかって親切に教えてくれていました。

彼のイチャモンに隠れた欲求が表れたように思い、

私は次男を抱き寄せて謝罪しました。

そして、赤ちゃんでいたかったのか、

と問うと次男は頷き、

お兄ちゃんになりたくなかったのか、

と問うと目を伏せて僅かに首を縦に振りました。

いくら体の発達が早いとはいえ、

三歳半の世界は、まだ赤ちゃんと地続きのようでした。

そう言われてみると、長男に比べて、

我が家には次男の写真が少ないと気がつき、

次男が生後六ヶ月くらいの、

ぽっちゃりした丸い顔で思い切り笑っている写真を

プリンターで印刷しました。

これ誰だ? と次男に写真を渡すと、

すぐに自分だと気がついたようで、

はしゃぎながら写真を握り締めていました。

可愛い赤ちゃんだね、と私が言うと、

写真に写っている表情と

そっくりに笑っていたのがとても印象的でした。

その写真の頃はまだ座る事もできないで、

そうやって笑いながら手足をバタバタしてたんだよ、

と教えると、床に仰向けに転がって、

次男は甘え声をだして手足で床を打ち鳴らしていました。

この年頃の幼児はきっと、過去を振り返りながら、

成長の階段を上っているのではないかと私は感じました。

母の密接な庇護から離れてからも、

幼児は何度も何度も、確信が持てるようになるまで、

人生の基礎を反復しているように思えてなりません。

そして、心行くまで赤ちゃんを遣り終えた時、

本当の乳離れが完了するような気がします。

そうすると、未練なく過去を手放すことが出来、

未来だけを見つめて歩んで行ける、

自立した人間になれるのではないでしょうか。

子供を追い立てて、発達過程を早くやっつけてしまいたい、

親の都合からはそんな気持ちもあります。

でも、幼児に後戻りを許さず、

這えば立て立てば歩けの親心を押し付けては、

赤ちゃんのように無条件に甘えることに未練が残り、

いつまで経っても誰かに甘えたい人間に

なってしまう気がするのです。

私は赤ちゃん返りした次男を横抱きにして、

揺らしながら「可愛い赤ちゃん」と呼びかけました。

すると「赤ちゃんじゃない、これお兄ちゃん」

と次男は身を捩って私の腕からすり抜けてゆきました。

今までに幾度も次男とこんな遣り取りをしましたが、

次男の眼差しに、この小芝居を楽しめるのも

あと僅かなのかもしれない予感がして、

私は三人目の子供が欲しくなりました。








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  1. 2010/11/15(月) 23:58:16|
  2. こども
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

いつもパパさんの話は、ほのぼのとしてとても楽しみです。
私達にも来春、二人目の孫ができます。
娘の所もどうやら男の子みたいで、パパさんの所と同じ様に男の子が二人になります。
  1. 2010/11/16(火) 22:27:32 |
  2. URL |
  3. UFO #-
  4. [ 編集 ]

UFOさんへ

ご懐妊おめでとうございます。
男の子二人ですか。
私が息子達と遊んでいると、
妻が仲間に入りたそうにしています。
長男が、こっちは男チームでママだけ女チーム、
と母親を仲間はずれにするので、
家庭に一人だけの女性は寂しいかもしれませんね。
うちの妻は自分の仲間をつくるために
産み分けを考えています。
  1. 2010/11/17(水) 22:13:24 |
  2. URL |
  3. すかいどん #-
  4. [ 編集 ]

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