FC2ブログ

パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

大人への関門

99999.jpg

夕方、長男と小学校へ遊びに行きました。

自身が毎日過ごす場所なので、

長男は先頭に立って私を案内してくれました。

職員室の前の中庭に池があり、

そこに架かっている小さな木製の橋が彼のお気に入りのようで、

橋の上から池を覗き込んで魚を探しています。

私は、まだ残っている先生達の目を気にしながら、

長男のガイドに従って俯き加減で歩きました。

学校探険が終わり、

校門の脇にある桜の木の下に差し掛かったとき、

長男が「なんだこれ」と足元を注視しました。

何か小さな若葉のような緑の物体が

コンクリートに転がっています。

釣られて私もしゃがみ込み、

目を近づけてみると、

それはナミアゲハの幼虫を頭と尻から縦に力を加えて

半分程度の大きさに圧縮したような物体でした。

今まで実際に目にしたことは無いのですが、

図鑑でそれを見た覚えがあり、

「これはアゲハ蝶の前蛹だよ」

と長男に教えました。

枯葉で包んで掌に載せると前蛹は身を捩り、

なんだか「迷惑だから放っておいてくれ」という様子でした。

糸で木にぶら下がらずに地面で寝てるなんて、

これから蛹になる筈なのにいいのかな、

と私は疑問に思いました。

もし、このまま地面にあったら、

近いうちにこの学校に通う児童の足が

こいつを踏んづけるのは確実だし、

運良く蛹になって来年の春まで存えたたとしても、

翅を存分に広げるための足場が無く

羽化に支障を来たしてしまいそうです。

我が家の庭には山椒の若木があり、

そこには7匹のナミアゲハの幼虫が居ます。

だからそこにもう一匹くらい増えても

妻は許してくれるだろうと踏んで、

その前蛹を家へ連れ帰りました。

早速ネットで調べてみると、

落ちた蛹は瞬間接着剤でくっつけるとでていたので、

私もその伝でいくことにしました。

足と尻に接着剤を塗り、

山椒の枝に付ける為に前蛹を摘みあげました。

その瞬間、熟しきって腐った果物を潰したみたいに

嫌な感触が指先から伝わってきたのです。

見ると前蛹の表皮は幼虫時のゴム風船のような弾力を失っており、

私の指の形に内側に落ち窪んで元には戻りませんでした。

もう身じろぎしなくなった体を枝に無理やり貼り付け、

私はそれを見つめ続けました。

罪悪感から逃れたくて、凹んだ体から脱皮して蛹が出てくるよう、

必死に念を送りましたが、

動くものは葉を探して移動する育ち盛りの幼虫達ばかりでした。

産み付けられた蝶の卵が成虫にまで育つ確率は、

僅かに2パーセント程だといいます。

たった一人で生まれ、

初めて暮すこの世界に指針を示す養育者も無く、

天敵や病気、飢餓、おせっかいな人間などの

様々な困難を回避できた者のみが大人になれるのです。

逆に考えれば、殆どの命は大人になった自身の美しさを

想像すらできないまま、訳もわからずにその役割を終えるのです。

私の庭にいる幼虫達の何匹が成虫になれることでしょう。

下手をすれば、誰も羽化の日の目を見ることなく

7匹全滅という可能性も低くはありません。

普段目にする蝶達は、

もしかして百匹の兄弟から託された体だからこそ

あんなにも優美なのでしょうか。

もし虫の言葉が話せるようになったら、

蝶と花の蜜を酌み交わしながら、

その人生観などを拝聴したいものです。


00000.jpg
ナミアゲハ
777777.jpg
ヒメアカタテハとキタテハ
8888.jpg
ツマグロヒョウモン
スポンサーサイト
  1. 2010/10/13(水) 00:09:18|
  2. 生き物
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:2

コメント

毎年我が家のポンカンの樹にアゲハ蝶が卵を産みに来ます。
気の毒にも、樹木が小さいのですぐに葉がなくなり丸坊主になってしまい、いつも栄養失調の幼虫です。
妻はポンカンの樹が、可愛そうだといいます。
私は幼虫に申し訳ないと思います。
ちなみに植えて以来、ポンカンの実は成った事がありません。
  1. 2010/10/13(水) 22:51:25 |
  2. URL |
  3. UFO #-
  4. [ 編集 ]

UFOさんへ


うちの山椒の木もとうとう丸坊主になりました。
実家の庭から増援の山椒も掘り起こしてきたのですが、
それも全て食らいつくしてしまいました。
幼虫達は食料を探して次々と旅立ち、
今では一匹だけになってしまいました。
近くに柑橘類の木があればいいのですが、
見回してもそのような木は無さそうです。。
彼等の旅の終焉に、
絶望の高い壁が待ち構えていないよう願って止みません。
うちの山椒にはお気の毒ですが、
来年はさらに多くの葉をつけ、
沢山の命を養ってくれるものと期待しています。
  1. 2010/10/14(木) 22:47:15 |
  2. URL |
  3. すかいどん #-
  4. [ 編集 ]

<%template_post\comment>


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://skydon.blog45.fc2.com/tb.php/225-553cb892
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。