パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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週末の夜

金曜日の夜になると、

家に居てはもったいないような気分になって、

なんだか落ち着かないのはきっと私だけではないでしょう。

昨日の夜、どうしても山へ行って

いつもクワガタを観察しているクヌギの木を見たくなり、

妻に恐る恐る出掛けてきてもいいか尋ねると、

「今までダメなんて言ったこと無いでしょ」

と妻は半ば呆れ顔でした。

そこでいそいそとリュックに懐中電灯を詰めていると、

長男が自分も行きたいと言い出しました。

今夜は晴れていて星が良く見えそうだし、

息子と虫や星を観察すればきっと彼の心の成長に

一役買えるだろうと踏んで長男を連れてゆくことにしました。

車で現場に着いてみると予想通り満天の星が煌いています。

人工の明かりが全く無く、

100パーセント星の光だけの景色は厳かな雰囲気でした。

そんな中、斜面を上り目的地へ向かっていると、

杉の木立からかん高い声が聞こえてきました。

驚いて懐中電灯をつけて音のしたほうへ向けてみましたが、

茶色い木肌があるだけで怪しいものはありません。

女の子がオオカミに襲われて叫んでるんだ、

と長男は小さな声でその怪音を分析していました。

きっと寝ぼけた鳥が奇声を発したのだろうと

長男に言い聞かせ、私は歩き出しました。

いつものクヌギに辿り着き、念入りに見て回りましたが

コクワガタが一匹いただけで他に昆虫は見当たりませんでした。

涼しくなってきたし、もう夏は終わったのかなと寂しくなっていると、

長男が「もう家に帰ろうよ」と言い出しました。

まだ一本木を見ただけで、

他にもクヌギがあるのに帰るわけにもゆきません。

「もう帰ろう」を連呼する長男をだましだまし、

木々を見て回りましたがやはりこれといった虫はいませんでした。

落胆して帰路についた私は、

せめて星だけでも楽しもうと夜空を見ながら歩いていました。

すると、大きなオレンジ色の火の玉が、

長い尾を引いて東の空へ落ちてゆくのを目にしたのです。

咄嗟に歓声をあげると、私の声に驚いた長男は

ビビッて私の足にしがみ付いていました。

大きな流れ星の尾は、

本体が消えてもまだ暫らくモヤモヤと燃えているようでした。

これはいいものを見たと私は喜んでいたのですが、

見ていない長男の帰りたいコールは更に高まってしまいました。

車に乗り込み山道を降り始めると、

ヘッドライトに大きな影が飛び込んできました。

よく見るとそれは白っぽい鹿で、

その鹿の後ろから子供と思われる鹿も警戒しながら現れました。

長男に「鹿だ」と教えると、

またなにか勘違いをして怖がってしまいました。

鹿の親子は暫らくライトに姿を曝していましたが、

やがて急な山の斜面を登ってゆきました。

長男にとっては暗いし虫はいないし、

変な声が聞こえて、しまいには父が突然脅かしてくるから

散々な夜だったのでしょうが、

虫はいなくとも美しいものを沢山目にすることができ、

私は金曜日の夜をとてもエンジョイすることができました。

57 013

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  1. 2010/09/11(土) 23:57:00|
  2. こども
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:6

コメント

お久しぶりです!
すかいどんさん、ブログにお写真が増えましたね。
私は昆虫の捕食シーンなんかは興味深い瞬間だと思ってるのでマジマジと見させていただきました(笑)
この夜は本当に不思議体験がいっぱいでしたね。
ただ一つ、鹿は車相手にも平気で飛び出してくるので注意が必要です。
相手の身勝手な行動で車に傷が付いても相手は鹿なので弁償してもらえません。
私の妹の前の旦那も鹿を真正面から轢いてしまい、少しの間車にファーがついてましたよ(笑)
  1. 2010/09/13(月) 01:15:33 |
  2. URL |
  3. 櫻 #-
  4. [ 編集 ]

女の子の叫び声のような奇声の正体は
鹿の鳴き声だったのですね。
我が家の周りの山にも鹿が多く
本当に小学校3・4年生の女の子の
ヒステリックな叫び声のような鳴き声が響きわたります。
たまに路上にでてきて平気な顔で道草を食べています。
夜出くわすとギョッとしますね(笑)
  1. 2010/09/13(月) 12:31:35 |
  2. URL |
  3. s. river side #-
  4. [ 編集 ]

突然、色々なことが起こり・・・
長男くんにとってちょっぴり怖い夜だったようですね。
それでも男の子、最後まで泣かずに良く頑張りましたね。
きっと大人になった時、この夜の出来事を楽しそうに語る時がくるのでしょうね。
  1. 2010/09/13(月) 23:02:17 |
  2. URL |
  3. みっち #4lXsiBFM
  4. [ 編集 ]

櫻さんへ

実は以前から昆虫の写真を載せたいと考えていたのですが、
女性の読者に引かれはしないかと思って諦めていたのです。
虫が大好きなのに虫の話が出来ないのは
便秘3日目ぐらいに苦しいものでした。
でも良く考えたら読者なんて殆ど居ないのに
遠慮していても仕方が無いので、
昆虫ブログとしてやっていこうかなと転身を図りました。
櫻さんみたいに喜んでくれる女性もいるのだから、
女性は虫が嫌いなんて私の偏見だったのですね。
これからはご忠告通り、
山道を走行する際は鹿に注意することにします。
街でミニスカートの女子高生を探すように・・・
  1. 2010/09/13(月) 23:08:35 |
  2. URL |
  3. すかいどん #-
  4. [ 編集 ]

s. river side さんへ

私も鹿の声を聞いた時はギョッとしました。
長男の言うように本当に女の子が襲われたらどうしよう、
と山の中を捜索しようかとも思いました。
でもこんな暗い山の中で小さな女の子が
明かりも点けずに一人で居て
何かに襲われているのも不自然な気がするし、
ちょっとした葛藤が私のなかに湧き起こりました。
だから鹿を見た時には正体が判って安堵しました。
ああ、これで女の子の惨殺死体が発見されなくて済む、と。
もしかしてSRSさんみたいに娘さんがいるパパだったら、
慌てて悲鳴のするほうへ駆けつけるのでしょうか。

  1. 2010/09/13(月) 23:22:05 |
  2. URL |
  3. すかいどん #-
  4. [ 編集 ]

みっちさんへ

やっぱり怖い目に遭うのも成長の糧となる気がします。
だからちょっぴり男になったのかもしれませんね。
泣いてはいなかったのですが、
怖がっているところを写真に撮るから笑ってカメラを見ろ
と言っても、
しょんぼりと下を向いて写真に納まっていました。
大人になった時にこの写真を見て楽しみたいです。
  1. 2010/09/13(月) 23:31:06 |
  2. URL |
  3. すかいどん #-
  4. [ 編集 ]

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