パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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廻春

いつも散歩するルートの途中に公共の運動場があり、

そこの土手に満開の桜の木が並んでいました。

子供のころは親に連れられて花見に行っても、

お菓子とかジュースの事ばかり考えていて

桜の花には見向きもしませんでしたが、

大学受験に失敗し予備校生になった春

私は急に桜の美しさに気がつき、

一人で自転車に乗って、人気の無い穴場的な桜がある公園などに行き、

タバコをふかしながら数時間

ピンクの桜の木を見つめ続けていたりしていました。

その間、自分の将来の先行きや世の中に対する不満、

可愛い女の子がここに一緒にいてくれたらなあ、

など様々なことを考えていたものです。

その頃から私は満開の桜を眺めると、

なぜだか判らないもどかしさを感じていました。

春になり桜の蕾が膨らみはじめると、

もうすぐ咲くんだと思って胸が踊るのですが、

いざ花が咲き始めて満開になったと思ったら

一週間もしないうちに花びらを落として、

後は葉っぱが広がるだけという儚い存在である桜の花は、

私に佳人薄命的な美しさを教えてくれます。

若い頃の私には、

それを自分に重ね合わせるところがあったのかもしれません。

今は若くて自分を誇れるような年齢だけど、

いずれ年を重ねておじさんになったら

もう俺は散った桜のように価値が無くなるんだと考えると、

今を咲き誇る満開の桜の刹那的な美しさに

ただの植物以上の親しみを感じていました。

それから幾度も春が廻り、

可愛い彼女とお花見に行ったり、

桜の下で仲間と酒を飲んで泥酔したり、

様々なシュチュエーションで満開の桜を眺めましたが、

やはり以前と同じもどかしさを感じて

花見をしても心から満足することができませんでした。

美しいものがやがて過ぎ去ってしまい

ずっと美しくいてくれない切なさ、

そしてそれが儚いものだと判っているから

今この瞬間を脳裏に焼き付けておき、

出来る事ならいつまでも桜を満開にしておきたい

と思う私の愛惜の情が、

桜を見ると歯がゆい気持ちにさせていたのかもしれません。

登った桜の木の上でそう気がついたら、

私は自分が桜と一体になれた感じがして、

目を閉じて自分はこの桜の木の一本の枝だと考えました。

そうすると、私の体にも花が咲き乱れて、

自分はいつでも花を咲かせることができることが判り

今日は素直に桜を楽しむことができました。


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  1. 2010/04/15(木) 23:40:51|
  2. 人間ライフ
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