パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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開眼

DSC02831.jpg
ミヤマカラスアゲハ
_DSC4177.jpg
アカスジキンカメムシ
_DSC4539.jpg
コガタスズメバチ


カメラを手にしょっちゅう昆虫を追っていると、

なぜこんなに美しいものを皆は見過ごせるのだろう

と不思議に思うことがあります。

道路の水たまりに群れているミヤマカラスアゲハが、

あんなにも煌びやかに舞っているのに、

私以外は一人として自動車を停めて見入る様子がありませんでした。

たとえ視界に昆虫がいたとしても、

関心のない人の脳にはその存在自体が認識されないのでしょうか。

私には喉から手が出るほどの光景も、

昆虫識別眼を備えていないと無価値に映るのかもしれません。

私が草むらにしゃがみ込んでアカスジキンカメムシの撮影に

熱中していると、

通り掛かった車からオジサンが声をかけてきました。

「何の花撮ってるんだ」と。

私が虫を撮っていて、この辺りにはいい虫がたくさん居ると説明すると、

「虫か」と呟いてオジサンは去って行きました。

花の愛好家と昆虫耽溺者を比べてみれば、

その数においては花に軍配が上がるかもしれませんが、

対象物の美を愛する気持ちに違いはありません。

コガタスズメバチを撮った樹の前に、

三時間ほどカメラを構えて佇んでいたら、

その公園の管理のオジサン二人に話しかけられました。

ここで様々なスズメバチの女王が樹液を訪れるのを

待ち構えているのです、と説明したら二人は怪訝そうな表情でした。

そこで私は、「昆虫が好きで堪らず女より虫といるほうがいい」

などとジョークを飛ばして不審に思われないよう予防線を張りました。

段々とオジサン達も和やかになってきて、

私のスズメバチに関する薀蓄に耳を傾けてくれました。

すると天の配材か、我々の目前にある樹の幹に、

大きなシロスジカミキリが現れたのです。

これにはオジサン達も度肝を抜かれたようで、

慌てて事務所からデジカメを持ってきて、

私と一緒にシャッターを切り続けていました。

そんな私たちを尻目に、黄色い斑の背を揺らしながら、

シロスジカミキリは悠然と梢の上に消えてゆきました。

何せ日本一大きな種類のカミキリムシの中でも、

大型の個体だったものですから、

「今日はいい収穫があった」と

私ではなくオジサン達に言わしめたもの無理はありません。

これを機会に、彼等の昆虫眼が開けば、

私も虫好き冥利に尽きるところです。

ありふれた日常の光景にも、

こんな楽しみが隠れているとなれば、

きっと人生の質は向上することでしょう。

私のささやかな趣味が、

他人に対してそんな手助けが出来たのだとしたら、

これほど嬉しい事はありません。

「いい写真撮ってよ」

私を激励しつつ、オジサン達は事務所に帰ってゆきました。

お陰で私も豊かな気持ちでカメラを構えることができました。




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  1. 2011/06/07(火) 23:49:53|
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