パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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雄の風格

DSC02426.jpg

先日、長男が捕らえてきたコオイムシです。

「パパが好きなものがあるから、玄関の外にあるもの見てごらん」

父に対してこれまでに無く尊大に振舞う長男は、

大きな声で言いました。

何が彼をそうさせたのか、

期待と不安が胸でない混ぜの私は、

慎重に玄関へ歩を進めました。

彼の指示通り、捕虫箱を覗き込んでみると、

そこには二十余りのコオイムシが窮屈そうにひしめいています。

昨年私はコオイムシを発見する事ができず、

それを悔やんでいた父を知る長男は、

こんなに捕って来てあげたぞと、得意満面です。

よく見るとその滑らかな頬には泥が付着し、

ズボンやスニーカーも妻に隠しておきたいほど汚れています。

いつの間に、あの可愛い赤ちゃんがこんなに逞しくなったのかと、

私は頬笑む長男を凝視しました。

昆虫に目が無い父親の喜ぶ顔を思い浮かべながら、

田んぼや水路を駆けずり回ったのでしょう。

普段は私が彼の世話を焼いているのですが、

こうして反対の立場になってみると、

嬉しいやら照れくさいやら、

私の腹にやっと届くほどの身長しかない長男を

ただただ見つめるばかりでした。

それでも、すっかり二年生の腕白小僧に変貌した彼からは、

愛する者を精一杯に守る雄らしさが微かに漂いはじめていて、

私はそれを誇らしく思いました。



DSC02401.jpg

コオイムシは、子煩悩な夫の先駆け的存在です。

交尾した雌が雄の背中に卵を産みつけ、

それが孵化するまで彼等は背中に子供を背負い続けます。

その存在を知ったのは二年前です。

庭に妙なカメムシがいると妻に呼ばれ、図鑑で調べてみました。

するとコオイムシは雄が懸命に子育てをするとあり、

親近感からこの水生昆虫がとても気に入ってしまいました。

我が県では、レッドデータの準絶滅危惧種に指定されており、

あまりお目にかかれなくても仕方が無いのかなと思っていたのですが、

七歳の息子が独自に、しかも大量に捕獲してくるとは、

まだまだこの辺りの自然も捨てたのもではないようです。

しかしこんなに根こそぎ捕獲したのでは、

来年もコオイムシを楽しめるかどうか危ぶまれますので、

写真を撮った後、長男と二人でもとの住処に還しにゆきました。

案内された小川は水生昆虫の宝庫でした。

未来永劫ここに彼等が栄えるよう祈りつつ、

そっとコオイムシ達を水面に放しました。

DSC02454.jpg
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  1. 2011/05/31(火) 23:45:43|
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