パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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暑さの憂い

仕事で訪問した家の玄関先にカブトムシがいました。

この猛残暑の日差しがモロに当たる玄関のポーチに、

プラスチックの飼育箱の中で雌のカブトムシが

生きも絶え絶えに仰向けになっていました。

昆虫に直射日光は厳禁。

私には当たり前のようでも、

その飼育箱に記入してある名前の主には未知の常識なのでしょう。

今頃この坊ちゃんは給食でも食べているのだろうけども、

帰宅したら虫が干からびて死んでいたとしたら

きっと悲しむに違いないと思い、

私は家人にカブトムシの飼い方について

少し教えてあげるつもりになりました。

しかし、インターホンを鳴らしても返事はありません。

私をセールスマンと勘違いして居留守をつかう人もいるので

何度も入念にボタンを押してみましたが、

家の中で犬が吠えるのみで人間の返事はありませんでした。

私も最近、ミヤマクワガタを暑さに死なせてしまいました。

長男と二人で捕まえに行き、虫相撲大会に出場させた

思い入れのあるミヤマクワガタです。

家の中は暑いからいつも日の当たらない

家の裏手の日陰に飼育箱を置いていたのですが、

朝置いて夕方帰宅してみたら箱の中に熱が篭っていました。

小蝿を防ぐために密閉性の高い構造の箱は

この猛暑では虫蒸し機と化していたようです。

ミヤマクワガタは暑さに弱いと判っていて

慎重に扱っていたつもりなのに、

彼を苦しみのなか死なせてしまいました。

涼しくさせるために団扇で扇いでやると

逆立ちをして私を楽しませてくれ、

妻が捕まえた大型のノコギリクワガタに

喧嘩で勝った時には自ら拍手をして驚かせてくれました。

私はその亡骸を見つめ、

慙愧に耐えない気持ちでいっぱいでした。

インターホンを鳴らしても誰も出てこないので

私は途方に暮れました。

留守だと仕事にも差し支えるのですが、

何より目の前の死に掛けたカブトムシを

どうにかして救いたかったのです。

涼しい家の中に飼育箱を移動できないとしたら

裏手の日陰に置こうかとも考えましたが、

それではきっと盗まれたと思われるかもしれません。

無くなったと思わない程度の近い範囲には

植木鉢が作る小さな日陰しか見当たらなかったのですが、

藁をも掴む気持ちでそこへ箱を移動させました。

そして飼育箱を開けて、

車から持ってきたミネラルウォーターを

乾燥しきったマットにかけました。

カブトムシを手に取ると、

水分が蒸発した体が非常に軽く、

前羽が収縮して開いてしまっています。

僅かに足を動かしていますが、

持っている手が熱いと感じるほどの体温をしているこの虫は、

到底夕方まで生きてはいないと直感しました。

末期の酒のつもりで水をかけて冷やし、

まだ熱い箱に戻すと私はそこから立ち去りました。

この猛暑の中、

飼育箱で熱死している昆虫は一体どれだけいるのでしょう。

人間に捕らえられていなければ

彼等は涼しい木陰の冷えた土の中で

暑さをやり過ごすこともできたのにと思い、

私は遣る瀬無く

猛暑に熱せられた車に乗り込みました。


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  1. 2010/08/31(火) 23:30:56|
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