パパ読ンデ

光を越え、事象の地平面で逢いましょう

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黄色いハチ

えr

スズメバチの季節が到来しました。

秋の彼等は攻撃的ですから、

オオスズメバチやキイロスズメバチなど、

気性の荒い蜂の巣には近寄らないべきですね。

遠くからなら平気だろうと、

面白がって石を投げつけるなどの暴挙は、

控えるのが賢明かと思います。

毎年亡くなる方がいらっしゃいますので、

スズメバチの毒はやはり危険なのでしょう。

私も少年時代、上記の愚行を犯した友人の側らにいたために、

頭部を複数回刺されました。

人前では涙を見せないのが自慢だった私も、

その時は意地や体面など考える間もなく、

泣きべそをかきました。

もちろん激痛でしたが、

もうこれで死んでしまうと決め込んでいましたので、

母に別れも告げず最期を迎えるのが辛かったです。

その場の友人たちもかなり動揺していましたが、

ほどなく私に針を突き立ててくるキイロスズメバチを追い払ってくれたので、

すぐにその場を離れました。

もっと生きていたかった、

まだ子供なのにもうこの世とおさらばなのか、

踏みしめている筈の大地が頼りなく沈み込んでしまう気がして、

覚束ない足取りで友人に支えられながらの逃走でした。

あれ程の体験はそう頻繁にできるものではありません。

だから昆虫に関心を寄せるようになった現在では、

暴挙の友人に感謝しています。

少年時代の彩りとしても値千金ですが、

その毒針を身に受けてこそ解ることもあるからです。

危険な生き物としてスズメバチを退けるのは容易いですが、

彼等の存在を呪い消去を望む心になりたくありません。

自然界の仲間として共存し、

衝突や対立しないで済むようこちらが気をつければよいのです。

日ごろそんな考えをもっていた私に、

彼等からの使者がやってきました。

一匹のキイロスズメバチが私の周囲を旋回し続けていたかと思うと、

右腕に降り立ちました。

昔の経験が頭を過ぎり緊張に一瞬身が硬くなりましたが、

刺してはこなかったので彼女を信じることにしました。

右腕を這い回り、

歩いて肩を横断する気配を感じていると、

首筋に痛みがはしったのです。

やられた、

そう思ったのですが、

記憶にある痛みとは少し違っていました。

やがて彼女は左腕に降りてきて、

左腕の上腕に噛み付き、

数箇所を大顎で挟んでは味見をしていました。

私はおいしい餌ではなかったのか、

掌まで探索が終わると飛び去ってゆきました。

きっと私の成長具合を確かめにきたのでしょう。













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  1. 2011/09/28(水) 00:01:16|
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虫なく夜

_DSC8403.jpg


この夏、我が家にお越しいただいたお客様を

すべて山へお返ししました。

昨年から冬越ししながら滞在しているコクワガタを除いて、

カブトムシやクワガタを山深くのコナラに託してきたのです。

毎年夏が終わりに近づくと、

このまま虫たちを我が家に引き止めていて良いのだろうか、

と煩悶してしまいます。

勝手に捕らえてきたのだから、

最期まで責任を持ってお世話する。

そう考えていたので、

昨年までは正月越えるまで生きながらえさせた個体もあります。

しかし、秋口から一匹、又一匹と、

飼育箱の中に動かなくなっている虫を見つける度に

胸が痛むのです。

こいつは人生に満足していたのだろうか、

本当は、梢から梢へと渡り歩いて

居並ぶライバルとしのぎを削り、

何匹もの雌を手中に収めたかったのではないか。

それが運悪く私の目にとまったばかりに、

狭い箱に押し込められ、

したくもない喧嘩を強いられ、

雌の顔を拝む事すらできないまま

寒さに斃れてしまったのではないか。

だから出来るだけのことはしてきたのです。


蜜のさした美味しいリンゴを食べさせて、

夜は防寒に私のジャージを飼育箱に巻き付け、

時々は話しかけてご機嫌を伺ったりしました。

でも、どうしても夏の象徴としての運命に逆らえないようで、

厳冬の時期に力尽きてしまいます。

確かにカブトムシとしては長生きしたでしょう。

紅白を見て雪遊びもしたカブトムシなんてそうはいない、

だから幸せな一生だった、そう思いたいです。

でもやはり、カブトムシとして正しい生き方をしていないのですから、

そこには疑問が付き纏います。

私は彼等を虐げていたのではないかと心が苛まれるのです。

だから今年は方針を変えました。

虫相撲に出場させるような大きな個体しか我が家に連れてこない、

同じ種でより大きな個体をみつけたら、

それまでいたものを入れ替えに手放す、と。

そうは考えていても、ついつい子供や妻が捕まえたクワガタは

長逗留させてしまいましたが、

今回それらも全て山へお返しして、

短い時間ですが彼等に生を謳歌してもらうことにしました。

長男は嗚咽しました。

解放したはずのミヤマクワガタが、

長男の足元に歩いてきて彼を見上げているのです。

家に帰りたいんじゃないか、これだけでも連れて帰ろうよ、

そう長男は私に訴えました。

実は私もそんな気になっていたので、

そうしようかと心が揺れたのです。

でも、例外を作っては他の虫たちに顔向けができません。

だから長男の提案を、唇を噛んで黙殺しました。

ミヤマクワガタは暫らく長男の足元を徘徊していましたが、

やがて小雨が打つ草むらへ消えて行きました。

長男に釣られて、私の視界に晩夏の緑が滲みました。

夜、家人が寝静まっても、

いつも聞こえる、箱に突撃する音や羽音がしません。

もう虫のお世話に時間を取られることもありません。

物理的にも精神的にも昆虫とは距離を置いたので、

これからは自分の作業に没頭する筈だったのですが、

彼等がいないと、どうにも静かすぎて落ち着きません。

家の外では、コオロギやキリギリスなどが盛んに鳴いていますが、

それは私には余所余所しい音にしか聞こえないのです。

私が任意に注目し、

肌でその重さ堅さ痛さを味わった昆虫たちだからこそ、

あんな雑音でも恋しく思われるのでしょう。

脳裡に浮かぶのは、

彼等がどんな夜を過ごしているかばかりです。

冷たい雨に打たれてはいまいか、

鳥に捕食されてはいないか、

樹液の味で満足できているか、

美しい雌との邂逅に成功したかどうか。

しかし、私にできることと言えば、

例え一日でも、

彼等がその虫の在り方に沿って、

雷光のような生を全うするよう祈るだけ。

昆虫が好きになったことを少しだけ後悔する夜です。









  1. 2011/08/29(月) 00:02:55|
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戦いの時

vsコーカサス

お盆を過ぎると、長男の夏休みも残り僅かです。

父親の小学生時代と違って

溜め込んだ宿題に追われてはいませんが、

移り行く「時」には自らの力が及ばないと痛感したようで、

家から出たがらず、無常に抗う怠惰に飲み込まれています。

全身を透過するほどに澄んでいた夏の日差しも、

このところ俄かに黄金がかった色彩に変わり、

もう夏は思い出になろうとしているかのようです。

お盆に長男と虫相撲大会に出場しました。

昨年もミヤマクワガタで出たのですが、

二回戦で敗退してしまったため、

今年こそはと、優勝を目指して大物探しに六月から奮闘していたのです。

3日と空けずにカブトムシやクワガタがいるポイントに赴き、

強そうな選手がいたら無理やりスカウトします。

その代わりに手持ちの小型選手を放出する、

それを何度か繰り返しているうちに、

カブトムシは78ミリ、

ノコギリクワガタ68ミリ、ミヤマクワガタ65ミリまで

大きくすることができたのです。

クワガタ部門にエントリーしたノコギリは、

一回戦でインド出身のオオクワガタに敗れました。

この大会は国産の虫か外国のそれか区別しません。

だから南の国の大型甲虫も対戦相手になってきます。

昨年の戦いの推移を知っていたので、

打倒コーカサス、パラワンを目標に精鋭を揃えたつもりだったのですが、

ノコギリクワガタは敵前逃亡し、あえなく負けてしまいました。

しかしカブトムシ部門では快勝が続き、

うちの選手、通称カブトコージが

自分より小さな国産カブトを睨んだだけで

土俵から退却させ、

その調子で準決勝まで軽く蹴散らしていたのです。

いよいよ決勝戦、

相手はコーカサスオオカブトでした。

体格は1.5倍ほど差がありましたが、

私はカブトコージを信じていました。

両者の視線がぶつかり、

暫らく沈黙がありました。

そしてあろうことか、二人とも互いに背中を向けて動き出したのです。

コーカサスはすぐに歩みを止めましたが、

コージはそのまま土俵を割ってしまい、

優勝の誉れを手にすることはできませんでした。

言葉も通じぬ巨大な外国虫が相手では、

コージの眼力も通用しなかったようで、

来年からは練習相手にコーカサスを手に入れようと

長男と話し合ったところです。

敗れたとはいえ、決勝まで力闘したコージには、

感謝のしるしにメロンを差し入れ、

いずれ故郷の森に還すことを約束しました。

きっと逢いたい雌もいることでしょう。

そこで満ち足りた余生を送ってほしいものです。









  1. 2011/08/16(火) 23:20:37|
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初夏の翅

_DSC0310.jpg
クジャクチョウ

栗の木に、真っ黒な蝶が翅を閉じてとまっているなと思ったら、

その内側から予想外に煌びやかな翅が現れ感激しました。


_DSC0457.jpg
モンキチョウ

雄同士で追いかけっこをしていました。

雌をめぐる争いなのかと思ったのですが、

雌が近づいても意に介さず飛び続けていました。
_DSC0470.jpg
ウラギンヒョウモンとメスグロヒョウモン

なぜか違う種類の雄が集まって楽しそうに遊んでいました。
  1. 2011/07/06(水) 23:09:51|
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開眼

DSC02831.jpg
ミヤマカラスアゲハ
_DSC4177.jpg
アカスジキンカメムシ
_DSC4539.jpg
コガタスズメバチ


カメラを手にしょっちゅう昆虫を追っていると、

なぜこんなに美しいものを皆は見過ごせるのだろう

と不思議に思うことがあります。

道路の水たまりに群れているミヤマカラスアゲハが、

あんなにも煌びやかに舞っているのに、

私以外は一人として自動車を停めて見入る様子がありませんでした。

たとえ視界に昆虫がいたとしても、

関心のない人の脳にはその存在自体が認識されないのでしょうか。

私には喉から手が出るほどの光景も、

昆虫識別眼を備えていないと無価値に映るのかもしれません。

私が草むらにしゃがみ込んでアカスジキンカメムシの撮影に

熱中していると、

通り掛かった車からオジサンが声をかけてきました。

「何の花撮ってるんだ」と。

私が虫を撮っていて、この辺りにはいい虫がたくさん居ると説明すると、

「虫か」と呟いてオジサンは去って行きました。

花の愛好家と昆虫耽溺者を比べてみれば、

その数においては花に軍配が上がるかもしれませんが、

対象物の美を愛する気持ちに違いはありません。

コガタスズメバチを撮った樹の前に、

三時間ほどカメラを構えて佇んでいたら、

その公園の管理のオジサン二人に話しかけられました。

ここで様々なスズメバチの女王が樹液を訪れるのを

待ち構えているのです、と説明したら二人は怪訝そうな表情でした。

そこで私は、「昆虫が好きで堪らず女より虫といるほうがいい」

などとジョークを飛ばして不審に思われないよう予防線を張りました。

段々とオジサン達も和やかになってきて、

私のスズメバチに関する薀蓄に耳を傾けてくれました。

すると天の配材か、我々の目前にある樹の幹に、

大きなシロスジカミキリが現れたのです。

これにはオジサン達も度肝を抜かれたようで、

慌てて事務所からデジカメを持ってきて、

私と一緒にシャッターを切り続けていました。

そんな私たちを尻目に、黄色い斑の背を揺らしながら、

シロスジカミキリは悠然と梢の上に消えてゆきました。

何せ日本一大きな種類のカミキリムシの中でも、

大型の個体だったものですから、

「今日はいい収穫があった」と

私ではなくオジサン達に言わしめたもの無理はありません。

これを機会に、彼等の昆虫眼が開けば、

私も虫好き冥利に尽きるところです。

ありふれた日常の光景にも、

こんな楽しみが隠れているとなれば、

きっと人生の質は向上することでしょう。

私のささやかな趣味が、

他人に対してそんな手助けが出来たのだとしたら、

これほど嬉しい事はありません。

「いい写真撮ってよ」

私を激励しつつ、オジサン達は事務所に帰ってゆきました。

お陰で私も豊かな気持ちでカメラを構えることができました。




  1. 2011/06/07(火) 23:49:53|
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